ospt’s diary

研究者×理学療法士×スポーツ

臨床と研究をつなぐ Think Globally, Act Locally

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日々淡々と過ぎやすい業務の中で、大切にしている言葉があります。
 
それは"Think Globally, Act Locally"という言葉です。
 
直訳ではグローバルに考え、ローカルに行動する、という意味ですね。
調べた限り出展がわからないのですが、様々な分野で用いられています。
 
僕は臨床と研究活動の行き来で、この言葉を意識しています。
診療では、目の前の患者さんに向け行動します。
研究では、自分が会えない患者さんや、それを支えるスタッフの方々のために情報を提供することを考えます。
 
これらは一方向ではなく、また優劣もありません。
ご自身の働く環境や、ミッションでバランスが変わるものと思います。
私のフィールドでの例を、下記の記事で図説してみました。
これからもこの言葉を意識して、臨床と研究をつなげていきたいです。

初回投稿時のステータスが with Editorからunder reviewを介さずに decision in processに変わった場合はほぼアウト

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昔論文投稿で経験した失敗を報告します

 

ある時、英語論文を投稿し、論文のステータスが「with Editor」に変わりました(エディターに論文が回ったことを意味する。

 

通常、次のステップは大きく2つ

①査読者が見つかり、ステータスが「under review」に変わる

②査読者のレビューが終わると「Decision in process」に変わる

そこから、論文がリビジョンなのか、リジェクトかの連絡がくる。という流れが多いかと思います。

 

今回は、「with Editor」から「Decision in process」にダイレクトに変更になりました。

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Editorial Managerの場合、赤枠のところがステータス

1週間位のできごとでしたので、査読が入ったとも思えません。

 

残念ながらこの場合、査読に回ることなくリジェクトになったことを意味します。

 

最初は知らなかったので、ドキドキしてしまいました。

「え、こんなに早くステータスが変わるってことは、何かいいことある?!」みたいな・・今思えば恥ずかしいです。

 

自戒の念も含め、シェアしておきます。

会員向けのオンライン講義動画がアップされました

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日本理学療法士学会より会員向けのオンライン講義動画がアップされました。

私はACLR後4か月からスポーツ復帰までの標準的理学療法を担当いたしました。

 

 

動画の閲覧までの道のりが大変煩わしいので、解説いたします。

 

①会員ページから「会員専用コンテンツ」をクリック

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②「学習動画特設サイト・学会の法人化」をクリック

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③「学習のための学会特設サイト」の写真をクリック

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これが分かりにくかった・・

 

これで完了です。

私はスポーツ理学療法の動画を作成しましたが、他にも多くの動画コンテンツを閲覧することができます。

新型コロナで学習の機会が減っている方の学習方法の1つとして役立てば幸いです。

複数回計測したうちの最大値を抽出する方法(Excel)

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理学療法では、筋力や関節可動域など、2-3回計測してその最大値を抽出することが多いです。
 
最大値を抽出した時に、データの数が少なければ手作業でできます。
しかし、手作業ではミスの可能性が高まりますし、データの数が膨大になれば手作業はできません。
 
そこで、簡単な計算式で最大値を抽出する方法を解説します。
(解説はExcel 2019です)
 
①結果を出力するセルを選択しておく

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Excel画面の上にある「数式」タブ→「論理」→「IF」を選択する

③論理式に”A3>A3"、真の場合に"A3"、偽の場合に"B3"を入力

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④それ以降のセルにも計算式を当てはめる
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完成!

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ちなみに、最小値を抽出した場合には不等号を逆にすればOKです。
 
ご存知の方も多いと思いますが、データベース構築に役立ったのでシェアしました!
 

Pubmed上に各論文のimpact factorが表示されるGoogle拡張機能が素敵

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Google chromeでは、Pubmedで検索した論文毎にimpact factor (IF)が表示される便利な拡張機能があります。
 
Pubmed impact factor」です。(ダウンロードリンクはこちら
 
画面右上の「Chromeに追加」から進むと簡単にインストールできます。*
 
インストール後、Pubmedで論文を検索してみると、下図のように雑誌の横に(IF:〇〇: Q●**)と表示されているのが確認できます。
 
わざわざ各雑誌のホームページや Journal Citation Reports(JCR)で検索する手間が省けます。
 
とても有名なサイトなのですが、念のために記録として残しておきます。
 
*Google以外のインターネットサービスでは見られないと思います。
** Qとは、同じ分野の雑誌の中でのランキングを四分位(Quartile)にて示しています。Q1の場合、その分野で上位25%以内にランク付けされていることを示します。
 
追伸:IFのことを書いていると、IFが登場したドラマがあったな~と思い出しました。
熾烈なIF争いをしていたのが印象的です(日本語の雑誌にIFが付与されていることは聞いたことがありませんが・・)。

Wordの中の表だけを横向きに変更する方法(論文投稿用フォーマット調整)

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Wordファイル中で特定の場所だけ横向きに変更する方法をおさらいします。
 
論文投稿ファイルを作成する際には、出版社からWordファイル内に修正可能な形式で表を載せるよう指示されることが多いです。
その際にはExcelで作成した表をWordに貼り付ける機会が多いです。
 
しかし、表が大きくWordのレイアウトからはみ出る場合があります(下図)。

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右の表がレイアウトを飛び出している
変にセルの長さなど調節して無理矢理レイアウト内におさめると見た目が悪くなり、査読の印象が悪くなりかねません。
綺麗に修正しましょう。
 
方法①:表の右上にある十字をクリックして、表全体を選択する。

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選択されると表がグレーに変わります

 

方法②:Wordのタブから、「レイアウト」を選択し、右下の斜め矢印をクリック。

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方法③:ページ設定画面が出るので、「余白」タブを選択し、印刷の向きを「横向き」に変更し、下部の設定対象(Y)を「選択している文字列」に選択し「OK」をクリック

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これで完成です。
Wordの本文で、選択した表のみ横向きになっており、はみ出していた部分が全て表示されていることがわかります。

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内容は適当です。

これで無理なくフォーマットを調整できます。ご参考までに。

 

初学者のための英語論文執筆―最初は日本語で書き始めた方が良い3つの理由―

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英語論文執筆の専門書の多くが、英語と日本語の文法や表現方法の違いを理由に英語から書き始めることを勧めています。しかし、特に初学者*の先生にはおススメできません。

 

*ここでいう初学者とは、英語の読み書きに慣れてていない方と、論文執筆経験がほとんどない方といたします。

 

理由は下記の3つです。

  • 日本語で論理的に構築された文章(論文)が書けていない(場合が多いから)
  • 共著者の先生方が理解しきれないから
  • 英語で表現しきれない文章が出てくるから

 

1つずつ解説させて下さい。

 

1.本語で論理的に構築された文章(論文)が書けていない

論文では、著者の主張が伝わるよう、全体の構成、パラグラフ間の流れ、センテンス毎の繋がりなど、相当に注意しなければいけません。

 

「日本人だから日本語で論文を書くことは問題ないだろ・・」というのはかなり強引な解釈です。学術的な文章っぽさを演出するためにやたら複雑な述語を使ってみたり、不要な接続詞を使ってみたりすることはありがちです。

 

この問題点を、母国語以外の言語を使いながら改善していくことは相当難しいと思います。

手間が増えるかもしれませんが、まずは日本語で論文を執筆することをお勧めいたします。

 

私の場合は、2本和文論文を執筆してから、英語論文の執筆を開始いたしました。

 

2.共著者の先生方が理解しきれないから

学術的な文章は専門的な内容で、かつ過去に報告されていない新たな解析方法や結果、解釈が含まれることが多いですよね。

 

その際には、いくらその分野に精通している先生であっても、執筆者の意図が伝わりきらない場合があります。

 

今後は特に、多職種の専門家が絡む研究は増えると言われています。違う分野の先生方にもちゃんと内容を理解していただくような配慮が必要と思います。

 

私の場合は、共著者の先生方(特に医師)に執筆した論文の校閲を依頼する際には、英語版に日本語ver.も併せて送付します。

 

3. 表現できない英語がほぼかならず出てくる。

日本語で書き、共著者からの修正が終わった後に英文化を始めます。1文の日本語を2文の英文に分けることもしばしばです。その中で、ほぼかならずどのように英語で表現してよいかわからない文章が1,2文はでてきます。

 

無理やり英文化することも一つの方法かもしれませんが、その文を英文校正に依頼した時に、担当者が理解できずに誤った訳になる危険性があります。

 

そのため、まず日本語で共著者や読者に意図が伝わるような論文を書いて、その中で英語にできない表現は翻訳を依頼するという流れが良いと思います。

 

もしかしたら3番目は、英語から執筆し始めても同じように対策しているかもしれませんね。

 

まとめ

これらの3つの理由から、初めのうちは日本語での論文執筆をお勧めします。

そのまま和文論文として投稿するもよし、そこから満を持して英文化して英語論文として投稿するもよしです。

 

徐々に論文執筆に慣れてくれば、英語で書き始めることは問題ないと思います。

私は、現在は“方法・結果・図表”は英語で作成し、“背景と考察”は日本語で作成し、共著者の許可を貰ってから英文化しています。

 

もちろん、手間がかかるというご意見はごもっともかと思います。

しかし、論理的な文章を書き慣れるまでは、母国語で練習をしたほうが結果的にアクセプトまでの道のりや、次以降の論文執筆作業が早くなると思います。

 

これがすべての方に当てはまっているとは思いませんが、どうか参考になれば幸いです。