ospt’s diary

研究者×理学療法士×スポーツ

論文や抄録を見直す時のポイントー校正と校閲ー

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自分の書いた文章(論文や抄録)は、発信する前に何度も見直すことが吉です。
なぜなら、誤字脱字や、内容の不備、各パラグラフのつながりなどを確認する必要があるからです。
 
せっかく丹精込めて書いた文章も、誤字脱字がいくつもあったり、前後のつながりが不明瞭だったりすると、読み手にとって相当な負担となります。
特に誤字脱字が多いと、それだけでボツになることもしばしば・・・
 
ただ漠然と見直すだけでは、これらの要素を同時に扱うことになり、見直しの質が落ちます。
そのため、文章を見直す時には、”校正”と”校閲”に分けて行うことをお勧めします。
 
校正とは、誤字脱字の有無や、完成文書の誤植(ミスプリント)を確認し、修正することです。
校閲とは、文章の内容を確認して修正することです。各文章の流れや、パラグラフ(文章の塊)同士のつながり、引用の適切な利用、依頼の場合には依頼主のニーズを満たしているか、などです。
 
校正のポイントは、”文章の内容は無視して”、ペンや指などで1文字1文字追いかけ、丁寧にすることです。声に出して確認することを強く勧めます。難しい場合は小声でも、最悪、唇を動かすだけでもOKです。
 
校閲のポイントは、”誤字脱字などの細かい部分は無視して”、各文章やパラグラフの内容にフォーカスすることです。
校閲では、タイトル→全体のアウトライン→パラグラフのトピックセンテンス(最初の文)→パラグラフの中の文章の流れ→引用の確認のようにさらに細分化すると、質が高まります(下図)。
校正と校閲の順番はどちらでも問題ないかと思います。

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校閲の流れの一例
このように同じ文章の見直し作業でも、校正と校閲ではずいぶん内容が異なります。
誤字脱字を確認しながら内容のクオリティーを同時に確認するということは、相当難易度が高い作業です。
複数回の読み直しが必要ではありますが、結果的に論文のアクセプトに近づけば、近道ではないでしょうか。
 
私もこの方法を知らずに、相当苦戦した思い出があります。。
自戒の念を込めて