ospt’s diary

研究者×理学療法士×スポーツ

論文執筆でレビュアーと英文校正のコメントが相反した場合にはエディターの判断を仰ぐ

f:id:ospt:20210529161815p:plain

英語表現について、レビュアーからの指摘が英文校正で誤りだと指摘されたことはありますか?

先日アクセプトされた国際誌の査読返答の中で少し混乱したことがあるのでシェアします。

以下の様な文章を書きました。
例)「This study showed that muscle weakness persisted for 2 years after surgery 」
査読で、2twoに修正するようにコメントがありました。

 

基本的には査読コメントを反映させることが重要ですので、その通りに修正すると、英文校正では以下のような提案がありました

例)「10以下の数値はスペルアウトしますが、以下の例ではアラビア数字で表記します:単位のある測定値(8kg);時間の単位(4 days, 2 hours);年齢(5 years old);その他の数字を含むリスト(9 dogs, 4 rats)。一般的に、測定単位(年など)に言及する場合にはアラビア数字を使った方が良いでしょう。」

つまり、2のままで良いということです。

 

その他にも、冠詞の"the"をやたらと消す指示があったのですが、校正では英語表現として必要だというコメントがありました。
(個人的にはtheが必要なところをなぜ消すよう指示があったのかわかりませんでした。微妙なニュアンスは日本人には難しいです・・)


「英語的に正しいようですので修正しません」という返答では、当然レビュアーの印象が悪くなります。
かと言って誤った英語が公表されればこちらにも不利益です。

 

そこで、その旨をエディターに相談することにしました。


例)「レビュアーからこのようなコメントいただきました。しかし、英文校正のスペシャリストからは、英語表現のルールとして修正すべきではないという提案がありました。私たちはエディターの判断を仰ぎたいと思います。修正の必要があれば、いつでも修正することができます。」

 

すると、そこの修正は結局不要とのことでアクセプトにいたりました。

 

今回は比較的単純な(?)内容でしたので、このやり取りができたと思いますが、研究の手法や解釈など複雑な部分ではどうなるかわかりません。
1つの参考程度になれば幸いです。


また、判断を仰ぐと言っても丸投げのスタンスは良くないです。修正に応じにくい理由を書いた上で、検討してほしいということを伝えるべきです。

 

英語での数字の表記については他にもルールがありますので、他のページを参考にすると、とても理解が深まります。