執筆スキルアップのコツ~文末の動詞の名詞化を防ぐ~
“読み手にとって分かりやすい文章を書く”
このような指導を受ける方は多いのではないでしょうか?
特に、専門用語や学術用語が多い学術文書では難しい文章になりがちではないでしょうか?
今回は執筆のトレーニングを受けていない方の文章に見られがちな動詞の名詞化(nominalization)について解説します。
動詞の名詞化とは、動詞で表現できるものを名詞で表現することです。
これではピンとこないかもしれません。
よくみられる例文を挙げます
・~の評価を実施する。
・~の検査を行った。
・~筋の収縮が入る。
・~の手術を遂行した。
これらの例は、1つの動詞で簡潔に表現することができます。
・~を評価する。
・~を検査した。
・~筋が収縮する。
・~を手術した。
これらの例文くらい短ければ、あまり違和感はありません。
しかし、ボリュームのある文章の中でこれらの表現が頻発されると、読み手はとても疲労を感じます。
1つの動詞で完結できる表現は、可能な限り名詞化せずに書いた方がよいですね。
これは英語表現でも全く同じです。英語論文の場合は【トム・ラングの医学論文「執筆・出版・発表」実践ガイド(株シナジー)】を読むと、名詞化について詳しく書かれています。
たったこれだけのことかもしれませんが、意外にも読み手のストレスは相当軽減されます。不要な動詞の名詞化はなるべく避けることをオススメします。
*分かりやすさの定義は、その文章が掲載される場面(学術文書、一般向けの書籍、ブログ etc.)によって全く異なりますので、ここでは割愛します。